○茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部警防規程

平成29年1月1日

消防本部訓令第1号

目次

第1章 総則(第1条~第4条)

第2章 部隊の編成等(第5条・第6条)

第3章 警防計画(第7条~第12条)

第4章 出動制度(第13条~第18条)

第5章 警防対策(第19条~第28条)

第1節 警防業務(第19条~第24条)

第2節 消防水利施設(第25条~第28条)

第6章 警防調査及び警防視察(第29条~第31条)

第1節 警防調査(第29条・第30条)

第2節 警防視察(第31条)

第7章 訓練及び演習(第32条~第38条)

第1節 指針及び計画(第32条・第33条)

第2節 訓練(第34条・第35条)

第3節 演習(第36条・第37条)

第4節 消防活動技術の効果確認(第38条)

第8章 警防行動(第39条~第57条)

第1節 出動(第39条・第40条)

第2節 指揮体制及び任務(第41条~第49条)

第3節 消防活動(第50条~第57条)

第9章 消防活動効果の評定、検討及び研究会(第58条~第60条)

第10章 消防特別警戒(第61条・第62条)

第11章 職員招集(第63条)

第12章 報告(第64条~第68条)

第13章 補則(第69条)

付則

第1章 総則

(目的)

第1条 この訓令は、消防組織法(昭和22年法律第226号。以下「組織法」という。)消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)等に基づき、火災、人命救助を要する災害及びその他の災害、又はそれら発生のおそれのある事象を警戒並びに鎮圧し、防除するために必要な事項を定め、茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部の機能を十分に発揮して人命、身体及び財産の火災等による被害を軽減することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 火災 人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。

(2) 救助 火災等及び交通、機械等の事故により生命、身体の危険が切迫し、自力で脱出又は避難することが困難な者を安全な場所に救出することをいう。

(3) 消防活動 火災等の警戒及び被害の軽減並びに人命救助のために行う消防機関の行動をいう。

(4) 火勢鎮圧 火勢が消防隊の制ぎょ下に入り、拡大の危険がなくなったと現場の最高責任者が認定した状態をいう。

(5) 残火処理 有炎現象が終息した以降において、残り火を点検し処理することをいう。

(6) 鎮火 現場最高責任者が消防隊による消火活動の必要がなくなったと認めた状態をいう。

(7) 集団災害 航空機の墜落、電車、バス等の事故、武力攻撃、テロ攻撃等の災害で大規模な救助及び救急事象で普通出場では対応できない事故をいう。

(8) 指揮隊 消防活動全般において各消防部隊を効果的に統括運用する隊をいい、本部指揮隊と署指揮隊に区分する。

(9) 指揮本部長 消防活動全般において消防部隊を統括運用する隊の最高責任者をいう。

(10) 指揮隊長 消防本部消防救助課及び各消防署、指揮隊の隊長を言う。

(11) 指揮本部 消防活動全般を統括運用する指揮活動拠点をいう。

(警防責任)

第3条 消防長は、この規程の定めるところにより茨城西南地方広域市町村圏事務組合管内の消防事情の実態を把握し、これに対応する警防態勢の確立を図るとともに消防署長以下を指揮監督し、警防業務運営の万全を期するものとする。

2 消防次長及び参事(以下「次長等」という。)は、消防長を補佐し、消防長に事故あるときは消防事務に関しその職務を代行する。

3 消防救助課長は、この規程の定めるところにより、警防態勢の調整等を行い、執行体制の確立を図るとともに、警防業務の万全を期するものとする。

4 消防署長(以下「署長」という。)は、所属職員を指揮監督し、警防態勢を確立するとともに管轄区域内の警防業務に万全を期するものとする。

5 分署長は、この規程の定めるところにより、署長の命により所属職員を指揮監督し、執行体制の確立を図るとともに、警防業務の万全を期するものとする。

6 各級指揮者は、平素から担当する任務に応じて警防事象の把握、消防活動に関する知識、技能の向上、体力の練成に努めるとともに、隊員を教育訓練するものとする。

7 隊員は、平素から担当する任務に応じて地理水利、建物等(以下「地理水利等」という。)の状況に精通するとともに、消防活動に関する知識、技能の向上、体力の練成に努めるものとする。

(安全管理の責務)

第4条 安全管理の責任については、茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部安全衛生管理規程(昭和62年消防本部訓令第2号)及び茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部訓練時安全管理規程(昭和62年消防本部訓令第3号)による。

第2章 部隊の編成等

(消防部隊)

第5条 消防部隊は消防署にあっては中隊編成とし、分署及び出張所にあっては小隊編成とする。

(部隊の編成)

第6条 前条の消防部隊の編成は、次の各号による。

(1) 中隊は署・分署及び出張所に配置する小隊で編成し、中隊長には署の当務責任者をあてる。

(2) 署、分署及び出張所の小隊長は、消防士長以上の階級にある者をあてる。

2 災害現場における消防部隊は、前項に基づいて編成した部隊を基幹とし、これに他署所から出場した小隊を増強して編成する。

第3章 警防計画

(基本方針)

第7条 消防長は、警防力の整備増強、消防部隊の編成及び運用、その他警防上必要な事項について警防計画の基本方針を示さなければならない。

(警防計画)

第8条 警防計画は、次の各号について別に定めるところにより樹立するものとする。

(1) 特殊消防対象物警防計画

中高層建築物、第4類危険物貯蔵事業所、放射性物質貯蔵事業所、重要文化財建築物、大規模建築物、住宅密集地域、産業廃棄物集積所、消防水利不足地域及びその他の消防対象物又は地域の火災に付随して生じるその他の災害に係る警防計画

(2) 集団災害警防計画

航空機、電車、バス事故、武力攻撃、テロ攻撃等の災害で大規模な救助活動及び救急活動に係る警防計画

(警防計画の検討及び修正)

第9条 署長は、警防計画を定期的に検討し、実情に合致しないときは、速やかにこれを修正しなければならない。

(消防長の指示する計画)

第10条 消防長は、消防活動上必要があると認めるときは、署長をして警防計画を樹立させるものとする。

(警防資料の整備)

第11条 関係法令に基づく許可、確認、届出等の事務処理に際しては、消防活動上必要な資料の入手又は整備に努めるとともに、本部及び署等が密接な連絡をとり、関連する事項を検討して警防業務の万全を図るものとする。

(警防計画等の周知)

第12条 消防長及び署長は、前条の消防資料及び警防計画に関する図書を整備し、その内容を所属職員に周知させておくものとする。

第4章 出動制度

(出動の原則)

第13条 消防隊等の出動は、いばらき消防指令センター(以下「指令センター」という。)の出動指令により行うことを原則とする。ただし、緊急の場合で出動指令を受けるいとまがないときは、この限りでない。

(出動の種別)

第14条 消防隊等の出動は、火災出動、救助出動、災害等出動及び救急出場とする。

(特命出動)

第15条 特命出動は、指揮本部長の要請又は消防長が必要と認めるときに消防隊等を指定して出動を命令する。

(出動区分)

第16条 消防隊等の出動計画は、災害の規模により区分して、茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部消防車両等出動運用規程(平成29年訓令第8号)に定める出動区分によるものとする。

(移動配備)

第17条 指令センター及び署長は、消防隊等の出動により当該火災発生地周辺の警防力不足を補完が必要であると認める場合は、消防部隊を消防署、分署及び消防出張所に移動配備させるものとする。

(応援協定に基づく応援出動)

第18条 組織法に基づく消防相互応援協定による応援出動は、当該協定による事前計画による出動とする。ただし、事前計画により難い応援出動は特命出動とする。

2 消防長は、緊急消防援助隊運用要綱に基づき、応援要請内容に対応可能な部隊を出動させるものとする。

3 国際消防救助隊に係る出動は、茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部国際消防救助隊派遣計画(平成30年訓令第7号)に定めるところによるものとする。

第5章 警防対策

第1節 警防業務

(警防業務の効果的執行)

第19条 警防業務は、火災の多発する時期(12月1日から翌年3月31日までの期間)及びその他の時期に区分し、管内事情に応じて効果的に執行するものとする。

2 署長は、火災の多発する時期においては隊員の確保等、警防力の充実に配意しなければならない。

(気象情報等)

第20条 消防救助課長は、警防対策等に資するため、気象、道路交通制限及び断水等の情報の把握に努めるものとする。

(火災警報の発令及び処置)

第21条 消防法(昭和23年法律第186号)第22条第3項に基づく火災警報の発令及び解除並びに地域は、消防長が決定する。

2 署長は、火災警報が発令された場合は、次の各号について必要な処置を講ずるものとする。

(1) 関係機関に対する協力要請

(2) 警防装備、積載資器材の点検及び増強

(3) 広報及び警戒

(4) その他必要な事項

(異常気象時の処置)

第22条 署長は、強風、降雪、雷雨、異常乾燥等(気象業務法令に基づく注意報以上が発令された場合等)で、消防活動上支障があると認めた場合は、地域の特性に応じて必要な処置を講ずるものとする。

(対策の樹立等)

第23条 署長は、消防活動上困難が予想される次の各号に定める消防対象物に応じて、警防対策を講じるとともに消防対象物の指揮資料を整備しておくものとする。

(1) 消防活動上困難が予想される3階以上の建築物

(2) 人命危険が特に大であると認められる消防対象物

(揚煙行為等の届出処理)

第24条 署長は、消防活動上障害ある行為の届出があった場合、届出内容の調査を行うとともに、必要に応じた現地調査を行い、その旨を当該届出書に記載し処理するものとする。

2 署長は、前項の届出のうち火災とまぎらわしい煙を発するおそれのある事象については、消防救助課長に報告するものとする。

3 署長は、第1項の届出のうち消防活動上障害がある事象、停電又は酸欠空気の漏出等の事象が発生した場合、必要な措置を講じるとともに消防救助課長に報告するものとする。

4 署長は、梯子の架てい障害、車両の通行障害、ホース延長障害その他消防活動上支障ある事象があるとき、障害の排除、改善及び現場における連携活動体制について関係者と協議しておくものとする。

第2節 消防水利施設

(消防水利施設)

第25条 署長は、関係法令に基づき消防水利施設(以下「消防水利」という。)に関し協議を求められた時は、別に定めるところにより処置するものとする。

2 署長は、開発行為に係る消防水利施設等の設置に関し協議を求められた時は、茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部開発行為に係る消防水利施設等指導要綱(令和3年要綱第2号)により処置するものとする。

(消防水利対策)

第26条 署長は、広域消防水利対策について効果的な推進を図るために必要があると認める場合は、関係方面に対し必要な処置を講ずるものとする。

(消防水利の指定)

第27条 署長は、法第21条の規定に基づく消防水利の指定をするときは、当該市町村と協議のもとに水利の所有者、管理者又は占有者から承諾を受け、指定を明らかにしておくものとする。

(消防水利移動等の処置)

第28条 署長は、消防水利が設置されたとき又は指定の取消しをしたとき若しくは故障等の障害を知ったときは、別に定めるところにより処置するものとする。

第6章 警防調査及び警防視察

第1節 警防調査

(警防調査)

第29条 署長は、管轄区域内の状況を把握するため所属職員に警防調査を実施させるものとする。

(調査の種類)

第30条 警防調査の内容は、次の各号による。

(1) 道路、橋梁、地勢及びこれらに類する地理

(2) 防火水槽、消火栓、プール、河川、池、井戸及びこれらに類する水利

(3) 消防対象物の現況及び移動状況等

(4) 前各号以外で署長が必要と認める事項

2 前条及び前項の実施基準については、別に定める。

第2節 警防視察

(警防視察)

第31条 署長は、警防活動の円滑なる推進を図るため、次の各号について所属職員に警防視察を実施させるものとする。

(1) 警防計画の策定資料の収集及び実情把握

(2) 警防活動上困難が予想される消防対象物の把握

(3) 警防活動上支障となる物品等の把握

(4) 前各号以外で、署長が必要と認める事項

2 前項の視察は、当該対象物に出場する関係職員が合同で参加できるよう計画を樹立するものとする。

第7章 訓練及び演習

第1節 指針及び計画

(指針)

第32条 消防長は、訓練及び演習を効果的に推進するため、その指針を示すものとする。

(計画)

第33条 消防長及び署長は、前条の指針に基づき管内の特性を考慮して、訓練及び演習の重点を定め、計画を樹立するものとする。

第2節 訓練

(訓練の実施)

第34条 署長は、所属職員をして消防活動に必要な動作、操作及び小隊の活動について、習熟させるため、計画的に訓練を実施するものとする。

2 消防救助課長は、警防上必要があると認める場合は、特定の部隊又は隊員を指定して訓練を行うものとする。

3 特定の部隊又は隊員の指定については、別に定める。

(訓練の種別)

第35条 訓練の種別は、次の3種としその内容は当該各号による。

(1) 個別訓練 各級指揮者及び隊員として、消防活動に必要な安全、確実、迅速な基礎、応用技術を演練し体得するために行うもので資器材取扱い訓練、出場訓練、操縦訓練、放水訓練、通信訓練、救急訓練、救助訓練、水防訓練、その他

(2) 小隊訓練 個別訓練で体得した技術を活用して、災害現場に対応できる小隊活動を演練し、消防活動能力の向上を図るために行うもの

(3) 中隊訓練 小隊訓練で体得した技術を活用して、災害現場に対応できる小隊連携活動を演練し、組織的な消防活動能力の向上を図るために行うもの

第3節 演習

(演習の実施)

第36条 消防長及び署長は、訓練の成果を確認し技術の向上を図るため、災害想定を設定した総合的な演習を計画的に実施しなければならない。

2 演習の実施に当たっては、要あるときは当該対象物の自衛消防隊との連携を図るものとする。

3 消防長及び署長は、必要があるときは特定の消防署所又は部隊を指定して演習を行わせるものとする。

(演習の種別)

第37条 演習は、次の3種とし、その内容は当該各号による。

(1) 警防演習 各種訓練により習熟した技術を効果的に発揮し、総合的な警防技術及び部隊運用技術の向上を図るために行うもの

(2) 救急救助演習 人命救助の迅速確実を期するため資機材を効果的に活用し、総合的な救急救助技術の向上を図るために行うもの

(3) 総合演習 消防対象物を利用し想定を付与し、火災、救急、救助活動を総合的に演練するもの

2 前項の演習は、本部演習、署演習とする。

第4節 消防活動技術の効果確認

(消防活動技術の効果確認)

第38条 消防長及び署長は、年1回以上、消防活動技術の効果確認を行い、その内容を検討評価して、消防活動、訓練及び演習に反映させるものとする。

第8章 警防行動

第1節 出動

(指揮本部長の出動)

第39条 指揮本部長の災害出動は、次の各号に定めるところによる。

(1) 消防長 第41条に規定する指揮体制表(以下「指揮体制表」という。)の第3指揮体制の火災等の場合、又は特異な火災等で必要と認める場合

(2) 次長等 指揮体制表第2指揮体制以上の火災等において業務執行上必要と認める場合、又は現場の指揮本部長からの要請があった場合

(3) 消防救助課長 指揮体制表第2指揮体制以上の火災等において業務執行上必要と認める場合、又は現場の指揮本部長からの要請があった場合

(4) 各課長 本部内の各課長は、業務執行上必要と認めるとき、又は現場の指揮本部長からの要請があった場合

(5) 署長及び分署長 管轄区域内に発生した指揮体制表第1指揮体制以上の火災等又は必要と認める災害

(特命出動)

第40条 消防長は、大規模災害時等の指揮体制を確保するために必要と認めるときは、管轄外の署長及び分署長を出動させることができる。

第2節 指揮体制及び任務

(指揮本部の体制及び構成)

第41条 指揮本部に指揮本部長を置き、指揮本部長及び指揮体制は、災害の規模に応じて次のとおりとし、その指揮組織は、別表第1のとおりとする。

指揮体制

指揮本部長

出動の種別

第1指揮体制

管轄署長

第1出動

第2指揮体制

管轄署長※次長等

第2出動

第3指揮体制

消防長

特命出動

2 指揮隊長は、第1出動の災害で出動しない災害等において必要な場合は、前項の指揮体制に関わらず出動するものとする。

3 災害現場に指揮隊長が不在のときは、最先着の中隊長又は小隊長が指揮するものとする。

(指揮隊)

第42条 指揮隊は原則として、組合管内で発生した火災による消防活動及び災害による救助活動に出動し、現場最高指揮者の指揮の下に次の各号の任務を遂行するものとする。

(1) 現場最高指揮者へ指揮の支援

(2) 災害等の実態を把握し、各種情報の収集及び整理

(3) 現場最高指揮者の命令の伝達及び消防救助課との連絡

(4) 出動部隊の活動の評価及び効果の確認

(5) 消防隊等の運用計画

(指揮隊の編成)

第43条 指揮隊の編成については、茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部現場指揮要綱(平成29年消防本部訓令第2号)による。

(指揮本部の任務)

第44条 指揮本部の主な任務は、次のとおりとする。

(1) 被災対象物の把握及び警防活動に必要な資料の収集

(2) 災害状況及び警防活動状況の把握並びに作戦の決定

(3) 局面指揮者の任務の指定

(4) 消防部隊の配備

(5) 指揮体制の強化と要請

(6) 消防部隊の増強及び削減の決定

(7) 無線通信の通信系統の指定

(8) 災害情報の収集、報告及び災害広報

(9) 被災対象物の関係者及び関係機関との連絡

(10) 警戒区域設定範囲の決定

(11) 危険防止の措置

(12) 警防活動に支障となる物件の排除措置

(13) 災害の拡大を防止するために行う消防対象物及びこれらのものの在る土地の使用、処分、使用制限等の決定

(14) 報道広報

(15) 前各号以外で必要と認める事項

(指揮本部長の任務)

第45条 指揮本部長は、指揮本部、前進指揮所、救急指揮所及び救助指揮所(以下「指揮本部等」という。)並びに出動各隊を統括指揮し、消防活動の方針を決定して、状勢に適応する部隊配備を定め、必要と認めるときは消防部隊又は資器材等の応援要請並びに現場通信の適正な運用等の処置を講ずるとともに、火災に至った経過等の把握及び効果的な現場広報等を行い、現場における消防部隊の中枢として最大の消防活動効果を挙げるよう努めるものとする。

2 指揮本部長は、上位の指揮者が現場に到着したときは、火災等の状況及びその消防活動概要を速やかに報告するものとする。

なお、上位の指揮者は、報告内容等から判断し、自ら指揮をとる必要があると認める場合は、指揮宣言をして指揮本部長に当たるものとする。

(指揮本部員)

第46条 指揮本部員は、指揮本部長の統括指揮のもとに、次の各号の任務を積極的に遂行するものとする。

(1) 各種情報の収集に関すること。

(2) 指揮本部長の命令伝達に関すること。

(3) 指揮本部長等の補佐に関すること。

(4) 通信連絡に関すること。

(5) 指揮本部長の特命事項に関すること。

(中隊長)

第47条 中隊長は、指揮本部長の命を受け、小隊長以下を指揮し、速やかに自己担当面の活動方針を決定し、消防活動に当たるものとする。ただし、命令を受けるいとまがないときは自己の判断によるものとする。

2 中隊長は、火災時の状況、自己中隊の消防活動概要、処置等について指揮本部長に速やかに報告するものとする。

(小隊長)

第48条 小隊長は、中隊長の命を受け小隊員を指揮し、速やかに自己隊員の担当任務を決定し、消防活動に当たるものとする。ただし、命令を受けるいとまがないときは、自己の判断によるものとする。

2 小隊長は、自己隊の消防活動概要、処置等又は担当面の火災状況について、中隊長に速やかに報告するものとする。

(隊員)

第49条 隊員は、自己隊の任務を的確に把握して修得した技術を最高度に発揮し、資器材を十分に活用して消防活動に当たるものとする。

第3節 消防活動

(火災現場活動の原則)

第50条 火災の現場活動は、人命活動を第1とする。

2 消火の活動は、延焼阻止を主眼とする。

(消防活動基準)

第51条 消防活動を効果的に実施するため、消防活動基準(警防活動時等における安全管理マニュアル)を別に定めるものとする。

2 消防長又は署長は、特異な災害事例等について、警防資料を作成し消防活動に有効に反映するように努めるものとする。

3 消防長及び署長は、消防活動基準に基づき所属職員を教育し、消防活動の万全を期するものとする。

4 各級指揮者又は隊員は、消防活動基準により効果的な消防活動を行うよう努めるものとする。

(消防警戒区域の設定)

第52条 指揮本部長は、消防警戒区域を設定する必要があると認めるときは次により消防警戒区域を設定し、区域内からの住民の退去等必要な措置を取らなければならない。

(1) 警戒区域は、住民等の行動が警防活動に支障を及ぼすおそれのある範囲及び2次災害が発生するおそれのある範囲とすること。

(2) 警戒区域には、警防資器材を用いて設定区域を表示し、必要箇所には警戒人員を配置すること。

2 指揮本部長は、前項により設定した警戒区域を災害の推移に応じて拡大、縮小又は解除しなければならない。

3 指揮本部長は、必要に応じて消防警戒区域の設定及び警戒人員の配置について、警察官に協力を求めることができる。

(火災警戒区域の設定等)

第53条 指揮本部長は、可燃性ガス、火薬又は危険物の漏えい、飛散等により火災警戒区域を設定する必要があると認めるときは、前条の規定を準用して迅速に警戒区域を設定し、災害広報を行うとともに、区域内における火気の使用禁止、住民等に対する避難指示、区域への進入禁止、その他の必要な措置をとり2次災害発生の防止に努めなければならない。

(不測の事態に対する応急措置)

第54条 各級指揮者及び隊員は、消防活動にあたり不測の事態が発生し、緊急に措置を必要とする場合は自己の判断により所要の応急措置をとり、時後速やかに指揮本部長に報告するものとする。

(鎮火)

第55条 指揮本部長は、焼き状況を目視して、再燃のおそれがないと判断したとき鎮火を決定するものとする。

2 指揮本部長が鎮火を決定したときは、消防救助課及び出動している消防隊に鎮火報及び鎮火時間を連絡するものとする。

(再出火の防止)

第56条 指揮本部長は、消防長が別に定める基準に基づき、残火処理を適切に行うとともに法第28条に定める消防警戒区域を解除するときは、当該対象物の関係者に対し、監視、警戒等の協力を求め、説示(別表第2)して再出火の防止に努めるものとする。

2 説示の方法は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 説示は、指揮本部長の指定する者が行うものとする。

(2) 説示した相手側の受領区分及び氏名は、可能な範囲で聴取しておくものとする。

(3) 説示書を交付する場合は、交付場所及び受領者の関係等できるだけ詳細に記録し、受領者の氏名の自筆を求め、交付者名を記録するものとする。

3 交付した説示書の控は、火災出動報告書に添付し、管轄する署長又は受持ちする分署長が保存するものとする。

(警戒)

第57条 消防隊の隊長は、現場を引き揚げたのち再燃火災の発生を未然に防止するため、必要により再び火災現場に出向し、再燃火災防止活動をするものとする。

第9章 消防活動効果の評定、検討及び研究会

(効果の評定及び検討)

第58条 消防長及び署長は、火災等について消防活動の実態を把握し警防技術の向上に資するため、消防活動効果の評定をしなければならない。

2 消防長及び署長は、別に定めるところにより消防活動に関する検討会を開き、将来の警防施策に資さなければならない。

(講評)

第59条 消防長は、所属長に対して火災等の指揮について必要があると認めるときは、講評するものとする。

(研究会)

第60条 消防長は、警防指揮技術の向上を図るため、署長、中隊長、小隊長等による研究会を随時開催するものとする。

2 消防長及び署長は、特異な火災等の事例又は実験研究結果等を素材として研究会を開き、警防技術の向上、効果的な訓練方法の開発及び資機材の活用技術の向上を図るものとする。

第10章 消防特別警戒

(警戒の実施)

第61条 課長及び署長は、火災等の発生するおそれのある事象に対処するため、特に必要と認める場合に消防特別警戒(以下「警戒」という。)を実施するものとする。

(広範囲の警戒等の実施)

第62条 警戒が2署以上の管轄区域にわたる場合は、課長の指定する署長が実施する。ただし、警戒事象の規模その他により特に必要と認める場合は課長とする。

2 課長は、特に警戒の必要があると認めたときは、署長及び分署長に警戒を実施させることができる。

第11章 職員招集

(職員の招集)

第63条 消防長又は消防署長は、火災等による出動で隊員を増強する必要を認めたときは、茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部非常災害対策招集要綱(平成29年消防本部訓令第3号)により職員を招集し、勤務に服させることができる。

第12章 報告

(警防計画の報告)

第64条 署長は、第7条及び第8条に規定する警防計画を樹立したときは、別に定めるところにより課長及び消防長に報告又は通報するものとする。

(訓練及び演習計画の報告)

第65条 署長は、第33条に規定する年間計画を樹立したときは、課長に報告するものとする。

2 署長は、演習を実施するときは、別に定めるところにより課長に報告するものとする。

(消防特別警戒計画の報告)

第66条 署長は、第62条に規定する計画を実施した場合は、課長に報告するものとする。

(警防活動の報告)

第67条 署長は、消防隊等が災害に出場した場合には、次に掲げる報告書により報告するものとする。

(1) 火災出動の場合 火災出動報告書(様式第1号)

(2) 前号以外の出動の場合 災害等出動報告書(様式第2号)

2 救急業務の報告については、別に定めるものとする。

(消防職員の受傷事故報告等)

第68条 署長又は分署長は、消防活動、訓練又は演習時において職員の受傷事故が発生したとき、速やかに課長に報告するものとする。

2 署長又は分署長は、訓練演習時において重大な事故が発生したとき、速やかに消防長及び課長へ報告するものとする。

第13章 補則

(補則)

第69条 この訓令の施行について必要な事項は、別に定める。

この訓令は、平成29年1月1日から施行する。

(平成30年訓令第11号)

この訓令は、平成30年4月1日から施行する。

(令和3年訓令第8号)

この訓令は、令和3年4月1日から施行する。

(令和3年訓令第42号)

この訓令は、令和3年10月1日から施行し、この訓令による改正後の茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部警防規程の規定は、令和3年4月1日から適用する。

別表第1(第41条関係)

○対策本部の組織及び任務

指揮体制

任務分担

第1指揮体制

(第1出動時)

第2指揮体制

(第2出動時)

第3指揮体制

(特命出動時)

現場指揮本部長

管轄署長

(現場最高指揮者)

指揮隊による運用

管轄署長

(現場最高指揮者)

指揮隊による運用

※次長等・消防救助課長

消防長

総務班

総務課長

総務課員

広報班

企画課長

企画課員

指揮班

消防救助課長

署長

消防救助課員

救護班

救急課長

救急課員

分署長

消防署員

災害規模に応じて現場指揮本部長が指名

情報班

予防課長

予防課員

※1 指揮本部長は、指揮宣言をしてから指揮を執ること。

2 指揮本部長に事故あるときは、順次下位の指揮者が指揮を代行すること。

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茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部警防規程

平成29年1月1日 消防本部訓令第1号

(令和3年10月1日施行)

体系情報
第8編 防/第3章
沿革情報
平成29年1月1日 消防本部訓令第1号
平成30年3月19日 訓令第11号
令和3年3月19日 訓令第8号
令和3年8月31日 訓令第42号