○茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部立入検査規程
令和7年1月30日
訓令第1号
茨城西南地方広域市町村圏事務組合消防本部立入検査規程(令和5年訓令第13号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第4条及び法第16条の5の規定に基づく立入検査(以下「立入検査」という。)を執行するために必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この訓令において使用する用語は、次の各号に定めるもののほか、法、消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号。)、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。)及び危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号。)において使用する用語の例による。
(1) 査察 法に基づく立入検査権、質問権等を行使して、消防対象物の関係者に消防法令違反、火災発生危険及びこれに伴う人命危険を予防させる行為全般をいう。
(2) 査察対象物 令別表第1に掲げる防火対象物(以下「防火対象物」という。)、法第11条第1項に定める製造所、貯蔵所または取扱所(以下「製造所等」という。)その他の消防対象物をいう。
(3) 査察計画対象物 査察対象物のうち、査察計画において立入検査の実施対象とするものをいう。
(4) 査察員 査察に従事する消防吏員をいう。
(5) 検査担当者 一の立入検査について担当し、責任を受け持つ1名の査察員をいう。
(査察の執行者)
第3条 消防署長及び予防課長(以下「署長等」という。)は、火災予防上の目的を達成するため並びに消防活動上必要な情報を把握するため、管轄区域内の査察対象物に対する査察を実施するものとする。
2 署長等は、管轄区域内の査察対象物の特殊性に応じた査察の手法を考慮し、効率的かつ効果的な査察の実施に努めなければならない。
3 署長等は、当該消防署及び予防課の職員に対し、必要に応じて、査察の遂行に必要な知識及び技術の習得のための研修を実施するように努めるものとする。
(査察員の心得)
第4条 査察員は、査察を通じ、関係のある者による防火管理又は保安体制が促進するよう指導するとともに、査察対象物における消防活動との関連について認識を深めることにより、消防活動時の安全性及び円滑性の向上を図り、住民生活の安全安心を寄与するよう努めなければならない。
2 査察員は、消防法令及び行政手続法(平成5年法律第88号)その他関係法令に精通するとともに、防火又は保安管理並びに火災及び火災以外の災害の実態等を研究し、査察能力の向上に努め、適正な査察業務の推進を図り、査察に対する信頼を高めるよう努めなければならない。
(査察の種別)
第5条 査察を次のとおり区分する。
(1) 緊急検査 関係のある者へ通知せず即時に行う立入検査をいう。
(2) 準緊急検査 関係のある者に通知して即時に行う立入検査をいう。
(3) 重点検査 関係のある者に通知して年に1回以上行う立入検査をいう。
(4) 通常検査 関係のある者に通知して行う立入検査のうち、準緊急検査、重点検査に該当しないものをいう。
(5) 特別検査 法令等の改正により管内における調査又は指導を必要とする場合、査察対象物において火災又は同等の事故が発生した場合その他火災予防上特に必要があると認める場合に行う立入検査をいう。
(6) 巡回査察 必要に応じて関係のある者に通知して、建物内に立ち入らずに外観のみで行う査察をいう。
(7) 通信査察 関係のある者から電話、ファクシミリ、電子メールその他通信機器(以下「通信手段」という。)を用いて、火災予防上必要な事項を聴取する方法で行う査察をいう。
(査察の実施に関する基本方針及び計画)
第6条 消防長は、査察の実施に関する基本方針(以下「査察基本方針」という。)を策定するものとする。
2 消防長は、前項に規定する査察基本方針を策定したときは、署長等に別に定める査察計画を策定させるものとする。
(査察の執行)
第7条 消防署長は、この規程の定めるところにより、管轄区域の消防対象物について中隊長及び予防係長に対して指示し、査察員を有効に活用させ、効率的かつ効果的に査察を執行しなければならない。
(査察の主眼)
第8条 査察は、別に定めるところにより、個別的かつ具体的に火災の予防上の安全性について検査し、併せて火災時の人命の安全確保を主眼として行うものとする。
(事前通知)
第9条 検査担当者は、査察を行うときは、関係者に事前に通知するものとする。ただし、緊急検査又は事前に通知することが適当でないと認める場合は、この限りでない。
2 検査担当者は、前項の規定により通知するときは、関係者に立会い及び関係資料の準備を求めるものとする。ただし、査察執行上支障がないと判断したときは、関係者の承諾を得て立会者不在で立入検査を実施することができる。
3 前項の規定により立会いを求める場合は、管理権原者、防火管理者、危険物保安監督者その他責任ある者の立会いを求めるよう努めるものとする。
(査察執行上の留意事項)
第10条 査察員は、査察の実施に当たって、法第4条又は法第16条の5に定めるもののほか、次の各号に定めるところによらなければならない。
(1) 礼節を正し、言葉を慎み、公正かつ公平に行うこと。
(2) 関係者又は関係者の代理人の立会いのもとで行うこととし、必要に応じて防火管理者、危険物保安監督者等の立会いを求めること。
(3) 関係者の権利を不当に侵害する行為及び民事上の紛争に関与しないこと。
(4) 査察対象物に設置されている消防用設備等の操作を必要とする場合は、関係のある者に行わせるほか、誤操作による機器の損傷及び人に対する危害等の事故防止に努めること。
(5) 立ち入る場所の環境及び状況に十分注意を払い、これに応じた保護具等を使用し、事故防止に努めること。
(査察員の派遣)
第11条 署長等は、必要があると認めるときは、予防課又はその管轄区域外を管轄する消防署長に査察員の派遣を要請することができる。
3 第1項の要請があった署長等は、所属の査察員を派遣するものとする。
4 派遣された査察員は、応援を受けた署長等の指揮の下、協力して査察を執行しなければならない。
(査察結果通知書の作成及び交付)
第12条 査察員が、緊急検査、準緊急検査、重点検査及び通常検査(以下「通常検査等」という。)を実施した場合は、火災予防上の不備欠陥事項の有無にかかわらず、査察結果を査察結果通知書(様式第2号)により、速やかに関係者に交付すること。
2 査察結果通知書の作成にあっては、火災予防上の不備欠陥事項がない場合はその旨を、ある場合はその内容を簡潔かつ具体的に記載しなければならない。
3 査察結果通知書の交付に当たっては、火災危険性、火災又は火災以外の災害が発生した場合の人命危険等について説示するとともに、火災予防上の不備欠陥事項がある場合は、是正のために必要な事項についての指導を行うものとする。
(査察結果通知書の現場交付)
第13条 通常検査において、査察員が即時に査察結果通知書を交付する必要があると判断した場合又は日を改めて交付する必要がないと判断した場合は、査察結果通知書(様式第3号)を現場において即時に交付することができる。
(査察の結果報告及び処理)
第14条 査察員は、巡回査察又は通信査察(以下「通信査察等」という。)を実施したときは、査察結果報告書(様式第4号)を作成し、署長等に報告すること。ただし、通信査察等により消防法令違反を覚知したときは、速やかに通常検査等を実施すること。
4 改修計画日が、社会通念上又は火災予防上妥当と認められない場合には、受付時に、関係者に対し必要な指導を行うものとする。
(立入検査の拒否等)
第15条 査察員は、防火対象物の関係のある者が立入検査を拒み、妨げ又は忌避(以下「拒否等」という。)をしたときは、当該拒否等をした者に対して立入検査の要旨を十分説明するとともに、拒否等の理由その他の別に定める事項を確認し、立入検査を中止するものとする。
2 消防長等は、拒否等が繰り返され、立入検査の実施が困難であると判断した場合は、立入検査実施通知書(様式第7号)により関係者に対して立入検査の実施を通知するものとする。
3 消防長等は、拒否等をした者が前項の規定による通知を受けてもなお立入検査を拒否等する場合は、違反処理規程又は危険物違反処理規程の定めるところにより、速やかに違反処理に移行するものとする。
(追跡調査)
第16条 署長等は、改修の確認又は促進のため、検査担当者に追跡調査を行わせるものとする。
3 署長等は、前項に規定する指導を行ってもなお改修されていない又は改修が促進されないと認めるときは、違反処理規程又は危険物違反処理規程の定めるところにより、速やかに違反処理に移行しなければならない。
(再発防止のための措置)
第17条 消防署長は、消防法令違反に起因した火災等が発生した場合又は消防法令違反の再発防止のための措置が必要と認める場合は、関係者に再発防止指導書(様式第9号)を交付し、再発防止を図るための措置を講じるように指導するものとする。
(査察対象物関係の資料整備等)
第18条 署長等は、査察対象物に関する資料について、次に定めるところにより、整備しておかなければならない。
(1) 査察対象物に関する資料は、防火対象物関係台帳に一括して編さんしておくこと。ただし、事務処理上その他の理由によりやむ得ないときは、分冊することができる。
(2) 前号に規定する資料については、査察業務のほか、消防活動等においても活用できるよう配慮するものとする。
(査察の管理)
第19条 消防署長は、査察計画が適正に執行されているか、又は、追跡調査及び指導が的確に実施されているかを別に定める査察の管理者に管理させなければならない。
(資料の任意提出)
第20条 査察員は、関係者に対し、火災予防上必要と認められる資料(査察対象物の実態を把握するために必要な既存の文書その他の物件をいう。以下「資料」という。)について、任意の提出を求めるものことができるものとする。
3 提出された資料で保管の必要がなくなったときは、提出資料保管書(様式第13号)と引換えに関係者にこれを返還し、受領した旨の署名をもらうものとする。
4 消防長等は、関係者から資料を受領した場合は、当該資料を紛失、棄損等させることがないよう適切に保管しなければならない。
(任意の報告)
第23条 査察員は、関係者に対し、資料以外のもので火災予防上必要と認められる事項について、任意の報告を求めることができるものとする。
(危険物の収去)
第26条 査察員は、法第16条の5の規定により、危険物又は危険物であることの疑いのある物を収去するときは、危険物等収去書(様式第17号)を関係者に交付するものとする。
(関係行政機関との連絡協調)
第27条 署長等は、査察の実効を図るため、必要に応じ、法第35条の13の規定に基づいて関係行政機関に照会し、又は協力を求めるなど、当該関係行政機関と密接な連絡に努めなければならない。
(点検報告に係る是正指導)
第28条 消防署長は、法第8条の2の2の規定に基づく防火対象物点検結果報告書、法第36条第1項において準用する法第8条の2の2の規定に基づく防災管理点検結果報告書又は法第17条の3の3の規定に基づく消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書を受け、点検結果の判定に不良事項が認められる場合は、点検報告に係る改修(計画)報告書(様式第18号)により当該不良事項に係る改修計画の提出を求めるものとする。
2 消防署長は、前項に規定する点検報告に係る改修(計画)報告書の提出があった場合は、関係者に対して当該不良事項の改修の履行を図るよう指導するものとする。
(査察対策検討会議)
第29条 予防課長(以下「課長」という。)は、査察の執行及びその運営管理に関する事項を検討するため、定期に査察対策検討会議を開催するものとする。
2 課長は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、査察対策検討会議を開催することができる。
3 課長は、前2項の査察対策検討会議を開催したときは、その結果を消防長に報告するものとする。
(署査察対策検討会議)
第30条 消防署長は、所属における査察の執行及びその運営管理に関する事項を検討するため、定期に署査察検討会議を開催するものとする。
2 消防署長は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず署査察対策検討会議を開催することができる。
3 消防署長は、前2項の署査察対策検討会議を開催したときは、その結果を予防課長に報告するものとする。
(補足)
第31条 この訓令に定めるもののほか、査察に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
付則
この訓令は、令和7年1月1日から施行する。